香港の大手宝飾チェーン「ルク・フック(六福集団)」が、2024年第2四半期(7〜9月)の業績を発表し、売上高が前年同期比8%増を達成しました。金製品の好調に加え、ダイヤモンドジュエリーの需要にも回復の兆しが見られ、業界関係者から注目を集めています。さらに同グループはロンドンへの出店を果たし、ヨーロッパ市場への初進出という歴史的な一歩を踏み出しました。
第2四半期の業績:金とダイヤモンドがともに貢献
ルク・フックが発表した2024年9月末締めの四半期決算によると、グループ全体の売上高は前年同期比8%増加しました。同一店舗売上高(少なくとも1年以上営業している直営店ベース)では、さらに高い12%増を記録しています。
地域別に見ると、香港・マカオでは売上高が17%増と大きく伸長しました。一方、中国本土では2%のマイナスとなりましたが、ダイヤモンドジュエリーに限ると固定価格製品の同一店舗売上高が17%増と力強い回復を示しています。
香港・マカオ市場の詳細
香港・マカオ市場では、重量ベースで販売される金製品の同一店舗売上高が前年比24%増と特に好調でした。一方、小売価格を同社が設定する「固定価格」製品については、金が10%減、ダイヤモンドが7%増という対照的な結果となりました。
香港・マカオの固定価格ダイヤモンド製品の同一店舗売上高:前年同期比 +7% 中国本土:同 +17%
中国本土市場:ダイヤモンドに明るい兆し
中国本土では全体的な消費低迷を背景に、固定価格ジュエリー全体では14%減と苦戦が続いています。しかし、固定価格ダイヤモンド製品だけを見ると17%増と際立った成長を記録しており、消費者のダイヤモンドジュエリーへの関心が底堅いことが示されました。
ヨーロッパ初進出と積極的な海外展開
業績改善と並行して、ルク・フックは積極的な海外展開も加速させています。今四半期のトピックスを整理すると、以下のとおりです。
- ロンドンへの初出店を果たし、グループとして初めてヨーロッパ市場へ参入
- 上半期にシンガポールへ再進出し、年間の海外出店目標を前倒しで達成
- 第2四半期に純69店舗を閉鎖し、総店舗数は2,788店舗に
- 今期中に海外市場での純増30店舗を計画
中国本土では経済の低迷や地政学的リスクが続く中、同グループは「慎重ながらも長期的な見通しについては楽観的」との姿勢を維持しています。国内市場での出店を続けながら、海外展開を加速させるという二軸の戦略を明確に打ち出しています。
日本市場への示唆
ルク・フックの業績は、日本の宝飾業界にとっても重要な示唆を含んでいます。中国本土でダイヤモンドジュエリーの売上が17%増を記録したことは、中国人消費者のダイヤモンドへの需要が依然として根強いことを示しています。インバウンド需要を取り込む日本の宝飾店にとって、この動向は無視できないシグナルです。
また、ルク・フックのロンドン進出に代表されるアジア系宝飾チェーンのグローバル展開は、日本市場にも新たな競争環境をもたらす可能性があります。訪日外国人向けの購買体験を磨くとともに、ダイヤモンドジュエリーの品揃えや価値訴求を強化することが、今後の競争力につながるでしょう。
さらに、金製品と宝石ジュエリーの需要動向が異なる動きを見せていることは、日本でも同様のトレンドが起こりうることを示唆しています。資産性の高い金へのシフトと、ダイヤモンドジュエリーの嗜好品としての需要回復が同時に進む複雑な市場環境への対応が、業界全体の課題となっています。
まとめ
ルク・フックの第2四半期業績は、香港・マカオ市場の力強い回復と、中国本土におけるダイヤモンドジュエリー需要の底打ち感を示す内容となりました。金製品の好調が全体を支える一方で、ダイヤモンドジュエリーも香港・マカオと中国本土の双方でプラス成長を記録したことは、業界にとって明るいニュースといえます。ロンドン初出店に象徴される積極的な国際展開も継続しており、アジア系宝飾チェーンの世界市場における存在感は今後さらに高まっていきそうです。
元記事
Luk Fook Revenue Rises as Diamond-Jewelry Demand Improves(Rapaport)